セットアップオフィスと聞くと、
「家具も会議室もインターネットも全部そろっていて、すぐに働き始められるオフィス」
というイメージを持つ方が多いと思います。
もちろん、それは間違いではありません。
ただ、実際に物件を見ていくと、セットアップオフィスには大きく分けて2つのタイプがあります。
1つ目は、レンタルオフィスのように家具・会議室・什器・ネット環境まできっちり作り込まれているタイプ。
2つ目は、会議室やテレカンブースなど必要最低限の内装は整っているものの、執務スペースには家具を持ち込んだり、自社で選んだりできる余白が残されているタイプです。
この違いを知らずに「セットアップオフィス」と一括りにして探してしまうと、
「便利だけど、自社らしさが出せない」
「初期費用は抑えられるけど、家具が合わない」
「もう少し自由度の高い物件も見ればよかった」
というミスマッチが起きることがあります。
この記事では、セットアップオフィスの2つのタイプと、家具なしセットアップに近い選択肢としてのスケルトンオフィスについて整理します。

セットアップオフィスとは?
セットアップオフィスとは、オーナーや貸主側があらかじめ内装や設備を整えた状態で貸し出すオフィスのことです。
一般的には、以下のようなものが用意されています。
- 会議室
- テレカンブース
- 執務スペース
- デスク・チェア
- インターネット環境
- 照明
- 空調
- 受付まわり
- 一部什器や備品
通常の賃貸オフィスでは、入居後に内装工事・家具購入・ネット回線手配などを行う必要があります。
一方、セットアップオフィスは最初からある程度整っているため、入居までのスピードが早く、初期費用も読みやすいのが特徴です。
特に、スタートアップや成長企業にとっては、移転にかかる時間を短縮できる点が大きなメリットです。
ただし、すべてのセットアップオフィスが同じ仕様ではありません。
ここが意外と見落とされやすいポイントです。

セットアップオフィスには2種類ある
セットアップオフィスは、大きく分けると以下の2種類に分かれます。
| タイプ | 特徴 | 向いている会社 |
|---|---|---|
| フルセットアップ型 | 家具・会議室・什器まで完成済み | すぐに入居したい会社 |
| 余白ありセットアップ型 | 会議室などは完成済み、家具は選べる・持ち込める | 自社らしい空間を作りたい会社 |
同じ「セットアップオフィス」という名前でも、自由度は大きく違います。
1. フルセットアップ型|レンタルオフィスに近い完成済みタイプ
フルセットアップ型は、デスク・チェア・会議室・テレカンブース・ネット環境などが最初からそろっているタイプです。
イメージとしては、レンタルオフィスやサービスオフィスに近い仕様です。
入居したその日から働き始められるため、スピード感を重視する会社には非常に使いやすい選択肢です。

フルセットアップ型のメリット
- 入居までが早い
- 家具購入の手間がない
- 初期費用を抑えやすい
- レイアウトを考える負担が少ない
- オフィスづくりに時間を使わなくていい
特に、急な採用増・プロジェクト拠点・短期間での移転には相性が良いです。
「とにかく早く、きれいなオフィスに入りたい」
という会社には、フルセットアップ型が向いています。
フルセットアップ型の注意点
一方で、完成されている分だけ、自由度は低くなります。
- 自社の家具を持ち込みづらい
- レイアウト変更がしにくい
- 席数が固定されやすい
- デザインが他社と似やすい
- 企業カルチャーを表現しにくい
つまり、便利ではあるものの、会社らしさを出す余白は少なくなります。
「家具も含めて全部そろっている」ことはメリットですが、同時に「自分たちで変えにくい」というデメリットにもなります。
2. 余白ありセットアップ型|会議室は完成、家具は選べるタイプ
もう1つが、余白ありセットアップ型です。
これは、会議室・テレカンブース・水回り・空調・照明など、工事が重くなりやすい部分はすでに整っている一方で、執務スペースの家具やレイアウトには余白が残されているタイプです。
最近はこのタイプを探す企業も増えています。
理由はシンプルです。
「すぐ使える便利さ」と「自社らしい空間づくり」の両方を取りやすいからです。

余白ありセットアップ型のメリット
- 会議室工事の手間を省ける
- 家具は自社で選べる
- 既存家具を持ち込める
- チームの働き方に合わせて席を作れる
- 採用・ブランディングに合わせた空間にしやすい
特に、デザイン会社、アパレル、IT企業、クリエイティブ系企業、スタートアップなどには相性が良いです。
オフィスは単なる作業場所ではなく、採用候補者・取引先・メンバーに対して会社の雰囲気を伝える場所でもあります。
そのため、すべてが最初から完成しているよりも、少し余白がある方が使いやすいケースがあります。
余白ありセットアップ型の注意点
ただし、家具を選ぶ必要があるため、完全なフルセットアップ型よりは準備が必要です。
- 家具選びに時間がかかる
- レイアウトを考える必要がある
- 追加費用が発生する場合がある
- 入居初日から完全稼働できない可能性がある
そのため、余白ありセットアップ型を選ぶ場合は、入居日から逆算して家具・什器・ネット環境・サイン計画を確認しておくことが重要です。
家具なしセットアップは、スケルトンオフィスに近い考え方になる
ここで知っておきたいのが、家具なしのセットアップオフィスは、考え方としてスケルトンオフィスに近くなるということです。
スケルトンオフィスというと、店舗物件のようにコンクリートむき出しで、何もない状態をイメージする方もいるかもしれません。
しかし、オフィスにおけるスケルトンオフィスは、必ずしも「工事が大量に必要な空間」という意味ではありません。
天井が抜けている、躯体が見えている、空間に余白がある。
そのうえで、空調・トイレ・照明・床など、オフィスとして使うための基本機能は整っている物件もあります。
つまり、スケルトンオフィスは「何もない不便な物件」ではなく、
「自分たちらしいオフィスを作るための余白がある物件」
として見ることができます。

セットアップオフィスとスケルトンオフィスの違い
セットアップオフィスとスケルトンオフィスの違いを整理すると、以下のようになります。
| 比較項目 | フルセットアップオフィス | 余白ありセットアップオフィス | スケルトンオフィス |
|---|---|---|---|
| 入居スピード | 早い | 比較的早い | 物件による |
| 家具 | 付いていることが多い | 選べる・持ち込める | 基本的に自社で用意 |
| 会議室 | 完成済み | 完成済みが多い | 物件による |
| 自由度 | 低め | 中〜高め | 高い |
| 初期費用 | 読みやすい | 家具次第 | 工事内容次第 |
| 会社らしさ | 出しにくい | 出しやすい | 最も出しやすい |
| 向いている会社 | 早く入居したい会社 | 便利さと自由度を両立したい会社 | 空間づくりにこだわりたい会社 |
重要なのは、どれが正解かではありません。
会社のフェーズ、採用計画、予算、移転スケジュール、ブランドの見せ方によって、選ぶべき物件は変わります。


こんな会社はフルセットアップオフィスが向いている
以下に当てはまる会社は、フルセットアップ型のセットアップオフィスが向いています。
- すぐに入居したい
- 家具選びに時間をかけたくない
- 初期費用を読みやすくしたい
- 10名前後で席数が大きく変わらない
- オフィスづくりより事業成長に集中したい
- 短期的な拠点として使いたい
スピード重視なら、フルセットアップ型は非常に強い選択肢です。
こんな会社は余白ありセットアップオフィスが向いている
以下に当てはまる会社は、余白ありセットアップ型が向いています。
- 自社の家具を使いたい
- 採用に効くオフィスにしたい
- 会社らしい雰囲気を作りたい
- 席数やレイアウトを柔軟に変えたい
- 会議室工事までは自社でやりたくない
- 便利さとデザイン性の両方を取りたい
特に、成長途中の会社にとっては、余白があることが重要です。
今の人数に合わせてきっちり作り込みすぎると、半年後・1年後に席数が足りなくなることがあります。
余白があるオフィスは、採用や組織変更に合わせて使い方を変えやすいのがメリットです。
こんな会社はスケルトンオフィスも選択肢に入れるべき

家具なしセットアップを探している会社は、スケルトンオフィスも選択肢に入れてみる価値があります。
特に、以下のような会社には向いています。
- 普通のオフィスでは物足りない
- 採用に効く空間を作りたい
- 自社の世界観を表現したい
- 家具・照明・植物・アートにこだわりたい
- 来客時に印象に残るオフィスにしたい
- 内装工事を最小限にしながら、雰囲気のある空間にしたい
スケルトンオフィスは、完成されたオフィスではありません。
だからこそ、自分たちらしい会社の空気を作ることができます。
物件探しで確認すべきポイント
セットアップオフィスを探すときは、単に「家具付きかどうか」だけで判断しない方がよいです。
以下のポイントを確認すると、入居後のミスマッチを防ぎやすくなります。
1. 家具は撤去できるか
家具付き物件でも、不要な家具を撤去できる場合と、撤去できない場合があります。
自社の家具を持ち込みたい場合は、最初に確認しておきましょう。
2. 会議室の数は足りるか
見た目がよくても、会議室が足りないと日常業務でストレスが出ます。
採用面接、オンライン商談、社内MTGの数を想定して確認することが重要です。
3. 席数は増やせるか
今の人数だけでなく、半年後・1年後の人数で考える必要があります。
12席でちょうどよい物件は、採用が進むとすぐに足りなくなることがあります。
4. 余白があるか
家具・植物・サイン・アート・照明などを入れる余白があるかどうかで、オフィスの印象は大きく変わります。
採用やブランディングを意識するなら、余白は重要な判断軸です。
5. 原状回復の範囲はどこまでか
セットアップオフィスやスケルトンオフィスは、退去時の原状回復範囲が物件ごとに異なります。
入居前に「どこまで戻す必要があるのか」を確認しておくことが大切です。
まとめ|セットアップオフィスは「完成度」ではなく「余白」で選ぶ
セットアップオフィスは、単に「家具付きで便利なオフィス」というだけではありません。
大きく分けると、以下の2種類があります。
- 家具・什器まで完成しているフルセットアップ型
- 会議室などは整っていて、執務スペースに余白があるセットアップ型
すぐに入居したい会社には、フルセットアップ型が向いています。
一方で、自社らしさ・採用力・レイアウトの自由度を重視する会社には、余白ありセットアップ型やスケルトンオフィスも選択肢になります。
オフィス選びで大切なのは、完成されているかどうかだけではありません。
自分たちの働き方に合うか。
これからの採用に対応できるか。
会社らしい空気を作れるか。
その視点で見ると、セットアップオフィスとスケルトンオフィスは対立するものではなく、近い選択肢として比較すべき物件カテゴリーです。
渋谷でセットアップオフィスを探している方は、家具付きの完成型だけでなく、家具を選べる余白のある物件やスケルトンオフィスも含めて検討してみてください。
渋谷でセットアップオフィス・スケルトンオフィスをお探しの方は、物件探しの段階からご相談ください。
サイト掲載物件だけでなく、未公開物件や家具を持ち込める余白のあるオフィスも含めて、
会社のフェーズに合う物件をご提案します。



