居抜きオフィス退去支援~スケルトンオフィスをそのまま引き継ぐ〜

突然ですが、どちらの雰囲気のほうがココロ踊りますか?

自分自身の家よりも、長い時間を過ごすオフィス。せっかくなら気分が上がる場所で働きたいですよね。
少しずつ、左側のTHEオフィスよりも、右側のようなデザイナーズ的なオフィスが増えてきています。

ただ、どんなにおしゃれな空間に仕上げても、退去時には左側のTHEオフィスの状態に戻さなければいけないのが現実。それを原状回復と言います。せっかく物件としての価値が上がっているにも関わらず、物件の所有者様にまでそのままの空間を活かすことが浸透していない点と、トラブルを避けるために原状回復をするというパターンが一般的になってしまっているのが原因です。


それを解決できる選択肢のひとつに〈居抜きオフィス退去〉というものがあります!
原状回復を免れるだけではなく、オフィス移転をスムーズに進めることができるありがたい選択肢です。
おお、じゃあそのままの状態で、簡単に退去できるじゃないか!と安心したいところなのですが、
それも段階を踏んで進めていかなければいけないことなのです。

これからオフィス移転を考えている方はぜひご覧ください!
〈居抜きオフィス退去〉とは何なのか、どうしたら〈居抜きオフィス退去〉ができるのか、最後にはこれまでの実例をお伝えします!

オフィスや店舗などの物件を、新たな入居テナントが内装や造作をそのままの状態で引き継ぐ形式の退去方法のことです。

通常は、店舗はスケルトンの状態に、オフィスは借り受けたオフィスの状態に原状回復をすることが基本ですが、居抜き退去をすることであらゆる要素において「ムダ」を省くことができます。そのあらゆる要素とは何なのか、次でお伝えします。


 

・コスト削減


新たな入居テナントが内装や造作をそのまま引き継ぐため、借りたときの状態・契約書で定められた状態に戻すための費用がかかりません。

事業用の物件は、住居のように室内クリーニングだけではなく、例え綺麗な状態であったとしても床・天井・壁の全てを新品に貼り替えることが原則です。
居抜き退去の場合、内装造作の解体・撤去、床・天井・壁の張替えや補修、水回りのクリーニングなどにかかる多大なコストが、全体のクリーニング(汚れや傷を綺麗にする)のみで済むのです。


              図:退去時にかかる費用 

また、コスト削減は退去テナントに限ったお話しではなく、これから入居するテナントも退去テナントから什器備品をそのまま引き継げる場合があるため、内装工事費用も削減できます。

・移転までのスピードアップ


スケルトンの状態や、オフィスの状態に原状回復をする作業は時間がかかります。
オーナー様に業者を手配してもらったり、スケジュール管理の負担も小さくはありません。

居抜き退去ではその時間が必要がないため、退去する直前まで営業することができます。さらには、新たな物件探しや新規事業への準備に集中して取り組むことができます。
また、次のテナントは、入居時期の前倒しをすることができます。

 
 

・環境への配慮(サスティナブルオフィス移転)


退去するテナントは原状回復をする際に出る産業廃棄物の削減を、入居するテナントは内装工事をする際に出る産業廃棄物の削減をすることができるため、環境に優しいサスティナブルオフィス移転になります。リサイクルや再利用の観点からも、環境への負担軽減を考えたサスティナブルな選択だと言えます。

SDGs 目標
No.9

「災害に強いインフラを整え、新しい技術を開発し、

みんなに役立つ安定した産業化を進めよう」

No.11

「だれもがずっと安全に暮らせて、

災害にも強いまちをつくろう」

No.12

「生産者も消費者も、地球の環境と人々の健康を守れるよう、

 責任ある行動をとろう」

 
 

①居抜き退去の打診


まずはオーナー様・管理会社に居抜き退去をしたい旨を伝えて、了承をもらいます。

借りている物件を居抜きで退去することのメリットとデメリットを明確にすることで、うまく交渉が進むようにします。

そのためには借りている物件の状態を客観的に見て、評価をする必要があります。内装や設備が、新しい借り手にとってそのまま引き継ぎたいと思ってもらえるような物件なのかを確認します。傷んでいる部分があれば、できる限り事前に、その部分は修復したほうが交渉しやすくなります。

居抜き退去の許可が得られたら、どのような条件で引き継げるのかなど、認識の行き違いがないように入念に打ち合わせをする必要があります。

居抜き退去の了承をもらえたら、『原状回復発注のリミットはいつなのか』を確認する必要があります。

②新しい借り手の探索


不動産会社や専門の居抜き物件サイトを通じて、新しい借り手を探していきます。

この際、内装や設備の写真、物件についての詳細情報を惜しみなく提供することが重要です。もちろん、不動産会社が指示を促してくれますが、自分が物件を探すとき、どんな情報があったら嬉しいかなどを考えられるとスムーズです。

例えば・・
・現状のレイアウト図面
・原状回復基準書、仕様書
・施工内容や工事図面
・入居時の空の状態の室内写真  などが挙げられます。

③交渉と契約


新しい借り手が見つかったら、造作譲渡契約を結ぶ必要があります。

どの設備機器をお渡しして、どれを持っていくのか、使用期間の提示、リース商品の有無、造作譲渡費用など、さらにくわしい情報が求められます。
オーナー様とも引き合わせを行い、賃貸条件についても交渉を進めます。双方が納得したうえで、契約を締結します。

タイミングのマッチングがキーになります。
時間との勝負になりますので、なるべくスムーズな対応ができるように心がけましょう。

④退去と明け渡し


契約に基づいて、物件の引き渡しを行います。

この際、必要に応じて鍵の引き渡しや書類の確認も行います。

居抜きオフィス退去を失敗しないためには

・余裕を持ったスケジュール設定


解約予告から退去までの期間が短いと次の借主が見つからず、居抜き退去ができなくなる可能性が高くなります。
確実に次の借主が見つかるように、移転計画は余裕を持つことが重要です。

一般的な解約予告期間は3ヶ月あるいは6ヶ月で設定されている物件が多いですが、居抜き退去を検討されている場合は、それより前から移転計画を進めましょう。

・設備の状態確認


引き渡す設備が正常に動作するかどうかと、使用期間を確認し、不具合があれば修理や交換を行う必要があります。
オフィスの原状回復は、一般的に床・天井・壁の張替えや補修を行う必要がありますが、居抜きで引き渡す・引き継ぐ場合は原状が不透明になってしまうため、原状回復の内容をしっかりと確認しましょう。

店舗物件の場合、什器や家具をリース契約していることもあるため、そちらも確認する必要があります。

これらを踏まえて、造作譲渡費の設定をします。

・契約内容の明確化


引き継ぎの範囲や条件を契約書に明記することが重要です。不透明・曖昧な点が残らないように、細かい取り決めを行いましょう。

例えば・・
・造作物の内容を明確にし、責任の所在がどこにあるのか
・不要の造作物を新しいテナントが処分する場合、どちらが費用を負担するのか
・造作譲渡の品目と個数
・造作物の状態

・法的手続きの確認


居抜き退去に関する法的な手続きや必要な書類を確認し、不動産会社や専門家の助言を受けていただくことをおすすめします。

あらゆるトラブルの発生を想定できる行政書士などであれば、想定されるケースをすべて網羅し、トラブルに備えられます。
契約書の文言ひとつで責任の所在が変わることを念頭に、細かくチェックをします。

 

ここでは弊社が実際にお手伝いさせていただいた実例をご紹介します!

①アパレルショールーム居抜き退去


入居されていたアパレルテナント様は、経営戦略の見直しにより、より立地条件の良い場所へ移転を決めました。

旧店舗の内装や什器備品は高品質であり、新しい借り手にとって魅力的なものでした。

不動産会社を通じて新しい借り手を見つけ、短期間で契約が成立。スケルトン内装から通常のオフィス仕様へ原状回復をする費用を大幅に削減し、新店舗の立ち上げに集中することができました。

②アパレル店舗居抜きをコワーキングスペースへ


弊社が運営するコワーキングサロン「SLOTH JINNAN」は、もともとアパレル店舗でした。

その遊び心あふれる142坪の店舗内装を、なるべく活かした状態で利用したいという所有者様の意向に基づいて、コワーキングサロンを始めることになりました。本来なら作ろうと思わないものであったり、作ることが難しいものをそのまま使うことによって、「クリエイティブな日常を共につくる」というコンセプトが体現された空間ができています。

フィッティングルームはWEB会議ブース、レジカウンターはバースペースに変わり、売り場はギャラリースペースとして生まれ変わりました。

 
 
 

③働くことが楽しみになるオフィス


なんと1973年に竣工されたこちらの建物は、オーナー様の「200年後も建ち続けていられるように」というご意向から、竹中建設によって建てられた新耐震基準に適応している建物です。


アパレルの企業が2,000万円かけて作られたこだわりのデザインオフィスは、まずヒノキの一枚板のバーカウンターが目を惹きます。その奥にはIHキッチンと店舗用のプロが使うコーヒーマシンが設置されていていました。

ここでおいしいパスタとコーヒーでランチしていたと伺っています。

そんな充実感あふれるこの空間は、入居しては企業の急成長にともなって惜しまれながら出ていく、そして新入居者へと引き継がれる。その良い循環を生み出すこちらの建物は、別名「出世ビル」とも言われています。

 
 

④ハーフセットアップオフィス


代々木体育館から新宿方面が一望できるこちらも「出世ビル」と言われています。

こちらに入居されていたレーベル会社様も、手狭になりご移転を決意。

会議室・固定席・リフレッシュスペースが確保された仕様になっており、そのまま引き継いでもらえるテナント様を探しているとお声がけいただきサポートいたしました。

使いやすい間取りであること、照明や家具、植物、アートなど比較的簡易的なものによって空間の雰囲気を変えられるというメリットから、すぐに次の入居者様が決まりました。

 
 

⑤居抜きだから叶えられる、さらに理想の空間作り


ある広告代理店様は、働き方の見直しによって、オフィス移転をすることになりました。


弊社からいくつか物件をご紹介したところ、使いやすい間取りであったことと、ウッディ×スケルトンな独特の空間を気に入ってくださり、こちらに移転を決意。

家具や机などの什器をそのままに引き継いでいただきましたが、現在はここからさらにステキな空間へアップデートされています。もともとのポテンシャルが高いからこそ、さらに理想に近い形にできるのも、居抜き物件の魅力です。

 
 

⑥引き継いだものを、引き継いでいく


今の入居様の前に入居されていた会社様が、普通の事務所仕様からスケルトン仕様へ変更しました。

現在入られている入居様は、この物件に入っている会社様が急成長を遂げていたことと、この雰囲気に強く惹かれ、このままの内装・造作を引き継ぐ居抜き入居をしました。

5・6年が経った今、急速な成長に伴いオフィス移転をすることを決意。退去時は原状回復をしなくてはいけない、と思いながらも、引き継いだものをさらに次へ引き継ぎたいというご意向から、居抜き退去のサポートをさせていただいております。

 
 

居抜き退去は、コスト削減、時間の節約、環境配慮といった多くのメリットがあります。
物件の評価、新しい借り手の探索、契約、引き渡しといった流れを理解し、適切な手続きを行うことで、スムーズな退去が可能となります!実例を参考に、自社の状況に応じた最適な選択を行いましょう。


スケルトンオフィス東京が実現したい未来の1つ、それはスケルトン(躯体現しになっている天井、床、壁の空間)っていいよねと知ってもらい、オフィス移転の新たな選択肢・スタンダードな選択肢としてカテゴリーを確立していくことです。

ただ冒頭でお伝えした通り、どんなにかっこいい空間も、原状回復して元も戻さなければいけないのが現実。

居抜き退去という方法を知ってもらうことで、「かっこいい空間」が残っていくこと、引き継がれていくこと、そしてスケルトンオフィス移転の選択肢がもっと増えていけばいいなと思っています。

スケルトンオフィス東京ではオフィス居抜き退去支援中


スケルトンオフィス東京は、天井が抜けた物件をメインに取り扱うポータルサイトです。

こだわりを持って、費用をかけて作り上げた内装を撤去してしまうのは嫌だな、このまま引き継いでくれる入居者がいないかな、と思う方!
あまり内装工事にお金をかけずに、スピーディーに入居したい、と思う方!

ぜひ一度、お気軽にお問い合わせください。

 




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